大同ほくさん(株)の在宅人工呼吸器
レンタルシステムについて

大同ほくさん(株)札幌医療営業所 佐々木克実

 弊社は、1995年4月より在宅人工呼吸器レンタル事業を開始いたしました。それからは使用者本人はもちろんのこと、病院の医師・看護婦、ソーシャルワーカー、ご家族のかたがたとお付き合いをさせて頂いております。以前より、在宅酸素療法(HOT)に用いる酸素濃縮装置・液体酸素・酸素ボンベ等のレンタル事業を行っておりますが、在宅人工呼吸療法(HMV)は、HOTに比べより深い、病院−患者−業者の相互関係が必要であると感じています。呼吸器使用者の方の「家に帰りたい」という思いから始まり主治医との打ち合わせを何度も繰り返し、呼吸器を決め、取扱説明をします。その後、1カ月〜3カ月に及ぶ練習期間を経て、ようやく在宅生活が始まります。その後、患者さん自身は介助者の手配等、非常に多くの問題を克服していかなければなりません。

 また、退院時の個人負担分費用は、気切している方で、約10〜20万円ほどかかります。これは、吸引器の購入、呼吸器を積むための車椅子の改造、ネブライザーの購入等ケアに必要な、様々な物品の調達に使われます。しかし、これだけの内容では、まだまだ十分ではなく、経済的に非常に負担が大きいのが現状です。

 HMV は、健康保険の適用となっており、1996年度診療報酬の改定で、陽圧式人工呼吸療法として7,000点/月(5,400点/月よりの改定)、在宅人工呼吸指導管理料として2,300点(2,000点/月よりの改定)計9,300点/月保険請求可能となりました。しかし、この点数では病院側も、業者も十分なサービスを提供することが出来ず、結局は患者さん自身が、不十分な部分を、自費で支出しなければいけないのが現状です。個人負担を少しでも軽減する意味からも、HMVの診療報酬点が加点されていくことが望ましいと考えます。参考までに、HOT の診療報酬は1996年4月より酸素濃縮装置+携帯用酸素ボンベ+指導管理料で9,400点/月、設置型液化酸素装置+携帯型液化酸素装置+指導管理料で8, 400点/月であり、HMVの診療報酬点数が十分ではないのが分かります。HMVはHOT に比べ、気管切開しているというハンデに加え、呼吸器回路・消耗品等必要パーツが多く、より高額な費用がかかります。又、病院側の緊急入院に対する体制づくりも要求され、それ故に早い段階での診療報酬の加点が望まれます。

それでは、弊社で実施しております、在宅人工呼吸器レンタルをご説明致します。使用機種はPLV−100(米国ライフケア社製)、BiPAP S/T(米国レスピロニクス社製)の2種類を取り扱っています。両機種とも、3カ月点検、1年(または1,0000時間)点検、3年(3,0000時間)点検はレンタル料に含まれていますので、患者さんの自己負担はありません。又、弊社は24時間体制をとっておりますので、トラブルの際は祝祭日、昼夜問わず、専門のスタッフが対応させて頂いております。

 なお、両機種の標準付属品は以下の通りです。

《PLV−100》

・呼吸器本体

・バクテリアフィルター、プロキシマルフィルター           各20個/年

(加温加湿器仕様)

・加温加湿器、加温加湿器取り付けブラット

・加温加湿器用回路セット(ウオータートラップつき)         2セット/年

・加温加湿チェンバー                          5個/年

(加温加湿器仕様)

・人口鼻                               50個/年

《BiPAP S/T》

・呼吸器本体、加湿器、加湿器専用台

・回路セット(仕様マスク等はご相談下さい) 2セット/年

・ソフトキャップ 10枚/年

*コンパニオン 2801(ピューリタン・ベネット社製)につきましても、お取り扱いいたしますので、ご相談下さい。又、在宅酸素療法との併用も可能ですので、弊社までお問い合わせ下さい。

 しかし、上記のパーツを超える部分は、現在個人負担とさせて頂いております。弊社としても、診療点数の加点により、少しでも早く患者さん負担が“0”になるような地道な努力をしていきたいと考えています。

 在宅人工呼吸器使用者の方の、QOL向上を目指して、弊社スタッフは努力しております。微力ではありますが、私達を最大限活用して頂き、1人でも多くの方に、希望を持って在宅生活をして頂くのが、私達“大同ほくさん”の願いです。


トップへ戻る